桜が散って新緑が芽吹き、サツキやハナミズキが咲き始め、良い季節となりました。
小社は桜並木に面しており、花が咲き始めると急に人通りが増えて華やいだ雰囲気になります。
桜前線は北上中で北の各地で咲き誇ることでしょう。――桜と言えば私どもの数冊の本の著者、大森安恵先生。
大の桜好きで、超ご多忙な日々の合間に各地の桜を見て回ったことを著書の中に書かれています。
なぜ、そんなにも桜が好きかというと、1970年当時、余り情報もなかったアブダビ共和国に医療使節団の一人として派遣される時のこと。女性の診療は女性でとの掟があり、王族女性の診察が目的だったものの、日本女性の入国は史上3人目でした。
このまま帰国できなかったら……という不安を覚えつつ出発する日の朝に、青空の元、微風にそよぐ桜の下で手をかざしていた7歳の娘さんの姿が心象風景となっており、その花の美しさが忘れられないとのことです。
また、増殖網膜症の糖尿病患者さんが「こんな素晴らしい本が読めなくなったら困るので、コントロールに気をつけます」と言って教えてくれた、宇野千代の『薄墨の桜』に魅せられたとも書かれており、その後、全国に桜行脚をされたそうです。
桜の開花は、卒業や入学の時期と重なることが多く、寒い地方では春爛漫の季節到来のイヴェントです。
大森先生は糖尿病の研究と治療に65年間携わり、国際会議で各国の臨床家とも先端の情報交換をされて糖尿病医療の最前線を歩んで来られました。
何よりも、日本では不可能と言われていた、糖尿病患者さんの妊娠・出産を可能にした第一人者です。
参考:『糖尿病と向き合う 一筋の道』