現代精神医学の礎 <全4巻シリーズ>

今日の精神医学の土台となる重要な基本的論文を,分野別・原著の発行年順に収載。

これまで原著も入手困難で翻訳も殆どなかった貴重な第1級の原典を、一堂にまとめて紐解く

ことができる画期的シリーズ。

翻訳・解説者には、日本の精神医学界をリードしてきた第一人者が多数。

論文全体の位置づけ,現代における意義を編者が付し,示唆に富む視点を提供。

多くの症例は臨床への指針となる。

 

『精神医学』誌に連載された「古典紹介」シリーズを抜粋して再録。
精神医学、脳科学、心理学の関係者・関係機関にとっては待望の必備シリーズ。

 

Ⅰ  精神医学総論 
Ⅱ  統合失調症・妄想
Ⅲ  神経心理学/脳器質性疾患・外因精神病
  気分障害・非定型精神病/児童精神医学/精神科治療/社会精神医学・司法精神医学
 

 

 

 << 書評はこちら >>『精神神経学雑誌』2012 VOL.114 NO.7)

 

 

「現代精神医学の礎」は、1970~80年代に『精神医学』誌上にシリーズとして掲載された「古典紹介」の本文の翻訳と解説を再録したものである。欧米各国の18世紀末から20世紀中葉までの、幅広く重要な基本的論文、著書が網羅されている。精神医学、脳科学、神経心理学等を専攻する者たちが必読すべき、重要かつ基本的研究、治療法等広汎な領域と主題が収載されている。恐らくは紹介者自らが傾倒していたと思われる主題と著者について、熱意をもって最大の努力を払って執筆された珠玉の傑作が数多く、本紹介シリーズは発刊当時大きな反響と評判を呼んだ。

 

精神医学とは何か――と言う具体的答えがここにある、と言っても過言ではない。

21世紀における現代精神医学の現状と将来を見通すとき、是非とも立ち戻って紐解かねばならない基盤がそこにある。復刻して是非再読してほしいという編者らの積年の思いがあった。

 

本書が、精神医学、心理学、脳科学等を志す若い学徒のみならず専門の方々にも広く読まれ、かつて様々な大きな問題に真っ正面から取り組んだ傑出した探求者の格闘の証に出会い、そこに展開している魅力ある世界が新たな感動をもたらす契機となれば、我々の願いは半ば達せられたようなものである。

 

(刊行にあたって より抜粋)

 


 

<編集委員プロフィール>

 

松下正明(まつした・まさあき)

 

1937年生まれ

東京都精神医学総合研究所名誉所長、元東京都健康長寿医療センター理事長

東京大学名誉教授

専門領域:老年精神医学、神経病理学、司法精神医学。

     精神医学史

 

影山任佐(かげやま・じんすけ)

 

1948年生まれ

東京工業大学名誉教授

専門領域:犯罪学、社会病理の精神医学、精神医学史。

     精神保健・メンタルヘルス