<医学哲学叢書>

医学哲学はなぜ必要なのか

石渡隆司 著

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ギリシア・ローマ時代から現代までの各時代に、医療・病気・健康・身体・死はどう受け止められてきたか。急速に高度技術化した医学が抱え込んだ危機を明らにかし、トータルな人間との関わりで考察する医学哲学の必要性を説く。


<目 次>

 

第Ⅰ部 医学史から医学の哲学へ

伝統医学として見たギリシア医学の再評価 ――ヒポクラテスを中心として――

文化史から見た古代人の医療観(I)――ギリシア神話の医療観――

文化史から見た古代人の医療観(2)――ギリシア詩人・哲学者の医療観――

文化史から見た古代人の医療観(3)――ローマ共和制時代の医療観――

文化史から見た古代人の医療観(4)――ローマ帝政期の医療観――

 

第Ⅱ部 医学の哲学は可能か

医学と哲学の統合と分離をめぐって ――ガレノスを中心に現代まで――

死のイメージの変遷に見る医学と哲学の接近と乖離

健全と不健全    

正常と病理の間 ――医学哲学的試論――

医学の哲学は可能か ――岐路に立つ現代医学――

慢性疾患と医療の限界―― 社会に開かれた医療のための提言――

近代科学の揺籃期における医学の一側面 ――ヨアヒム・ベッヒャーに見る――

複雑系と全体知の回復

 

第Ⅲ部 医学哲学小論翻訳

生物学と哲学上の根本問題 (パオロ・ベルナルディ)    

生命の尊厳と医師の課題 (パオロ・ベルナルディ)   

最良の医師は哲学者でもあることについて (ガレノス)

医療資源の配分と慢性疾患 (ヨス・V・M・ヴェリー)

イスラエルのバイオエシックスの紹介 (フランク・J・レアヴィット)

――とくに人口中絶問題への適応をめぐって――


<著者略歴>

 

石渡隆司 (いしわた・りゅうじ)

1932年 神奈川県生まれ

1956年 東北大学文学部哲学科卒業

1964年 同大学院博士課程修了(哲学)

1964-69年 日本大学工学部講師、助教授

1969年 岩手医科大学助教授

1971年 同教授

2000年 定年退職、同名誉教授

1986-95年 日本医学哲学・倫理学会会長

1995年よりポーランド医学アカデミー名誉会員