医療倫理学の基礎

G.ペルトナー 著

桝形公也 監訳

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医学の最先端技術に対応できる、新たな倫理的な判断能力をいかにして形成していくか。これまであまり紹介されてこなかった欧州大陸系の系譜から人間を捉え、法的な問題も視野に入れながら非常に明快でわかりやすい論旨で緻密に展開。最近、わが国でも問題となった多胎減数手術etc.の倫理的課題など今日的テーマにしっかりとコミットしている。


<目 次>

 

1.医療倫理学の概念と課題

医療行為の現代的制約/エートスと倫理学/医学と医療倫理学との統一


2.倫理学的な判断形成の方法

行為の概念/倫理学的な判断形成のためのさまざまなアプローチ


3.医療倫理学の規範的な基礎づけ

道徳的な根本信念という基盤/道徳的判断の内容に関する基準の問題


4.身体的-人格的存在者としての健康な人間と病気の人間

人格的存在者としての人間/人格的な世界開放性の本質媒体としての身体/

健康と病気/障害と生命

 

5.医師-患者関係

医師-患者関係の根源的状況としての苦悩と援助という状況/患者に対する説明

 

6.治療的実験-人体実験-倫理委員会

治療的実験-人体実験/倫理委員会


7.予測医学

予測的診断/遺伝カウンセリング/ゲノム解析/出生前診断/着床前診断


8.遺伝子治療

体細胞の遺伝子治療/生殖細胞への介入


9.胚研究

胚研究の目的/消費的胚研究に対する反対論/ 消費的胚研究に対する賛成論/クローニング


10.生命の保護をめぐる論争

方法上の前置き/利益の保護としての生命の保護/適切な問題設定のための示唆


11.臓器移植

臓器の確保/死の基準の問題-人間の死としての全脳死/臓器移植の特殊問題/臓器配分の問題/移植医療への問い


12.死にゆくことと死

概念上の区別-評価のための一般的な観点/死の看取り/殺すことと死にゆくにまかせること


13.医療制度における資源の配分

資源不足の原因/解決案としての合理化と割り当て/配分のさまざまなレベル-医療保険制度における正義/ミクロレベルでの倫理学的問題/マクロレベルにおける倫理学的問題


<監訳者略歴>

 

桝形公也(ますがた・きんや)

1947年生まれ

1973年 京都大学文学部哲学科卒業

1979年 京都大学大学院博士課程倫理学専攻単位取得

1984年 大阪教育大学助教授

1994年 大阪教育大学教授

武庫川女子大学教授

武庫川女子大学アメリカ分校武庫川フォート・ライト・インスティチュート副学長

大阪教育大学名誉教授